只今、神戸ファッション美術館で
貼り絵でお馴染みの山下清の特別展が開催されています。
今回の特別展では、期間中の7月2日に
山下清作品管理事務所代表で山下清の甥の山下浩氏の講演会が開催されていますし、本物の山下清の作品が展示してあると疑っておりませんが、
世間には山下清の贋作による原画展があり、山下清公式サイトでは注意を呼び掛けておられます。
詳細はこちらをご覧ください。
山下清の贋作による原画展のことを知ったのは、数年前のことです。
当時開催されていた山下清の特別展の会場で、山下清は山下清美術館など常設展はないことを知りました。
山下清の作品を鑑賞できるのは特別展のみであることを知り、衝撃を受けました。
なぜそんなにも衝撃を受けたかと言いますと、
さらにその数年前、旅先(日本国内)でたまたま見つけた山下清の原画展(常設)に行ったことがあったのです。
常設展がないなら、わたしが行った原画展は何だったのだろうと思い、特別展から帰宅後すぐに調べました。
すると、公式サイトに「贋作に注意」の記事があり、愕然としました。
その時の山下清の原画展(常設)のチラシを旅の思い出として保存してあったので、それを久々に引っ張り出して、その日に行ったばかりの本物の特別展のチラシと比べてみました。
比べて観ると、その差は歴然としていました。
クオリティーが全然違いました。
印刷物で観ても、違いはわかりました。
山下清の作品で「長岡の花火」があります。
(神戸ファッション美術館HPより)
それはそれは見事で、現在開催している神戸の特別展で鑑賞できるのですが、
贋作でも花火の貼り絵があり、チラシにも掲載されていましたが、本物を観た後にそれを観ると偽物だということがすぐにわかりました。
わたしはその過去のチラシを観て、贋作の原画展で間違いないと確信しました。
残念ですが。
そのあとそのチラシは処分しました。
贋作はそのつもりで観るとわかりますが、
知らなかったら「こんな作品もあったのかな」とか、
本物に比べて質が劣っていても「初期の頃の作品かな」など好意的に受け取ってしまいます。
まさか贋作の展覧会だとは思いもしませんでした。
展覧会ですから、1点2点でなくそれなりの数の作品がありました。
もちろん入場料も支払いました。
そして、この度その常設展が今もまだあるのか調べたところ、なんとまだありました!
確かわたしが行ったのは10年くらい前だったと思いますが、ずっとあったのですね。
わたしが山下清さんなら、「あんな作品を自分の作品だと思って欲しくない」と思うでしょう。
簡単に真似できるような作品ではありません。
誰にも作れないような作品だからこそ、わざわざ足を運んで鑑賞するわけです。
贋作製作者も、山下清のレベルではないにせよ そこそこのレベルの貼り絵を作れるのなら、自分の名前で展覧会ができるまで貼り絵を究めて欲しかったですね。
山下清を超えることは難しいでしょうから、同じ土俵ではなく違うタイプの貼り絵にするなどして。
そういえばこの贋作とは少し違いますが、数年前に音楽家とされた方の作曲した作品が、自作ではなくゴーストライターによるものだったことが明らかになりましたね。
嘘をつきとおせるものではないですね。
今回は、山下清の贋作原画展が存在することを伝えたくて記事にしました。
山下清の常設展がないというのは数年前の情報で、現在も本物の山下清の常設展が存在しないかどうかまでは確認できておりません。
また、公式サイトには常設展=贋作だと明記されているわけではありませんので、現在存在している全ての常設展(複数あるようです)が贋作によるものかどうかはわかりませんが、公式サイトで注意喚起していることから贋作の原画展が存在するのは事実のようです。
くれぐれも、わたしのように知らずに贋作の原画展に行ったりしないように氣をつけてください😅
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