少し前になりますが、4月3日放送の『阿佐ヶ谷アパートメント』(NHK)で 喫茶店マスターの言葉が胸に響きました。
「時間の無駄と思いつつ ついやってしまうことは?」のコーナーで
名車と熟成珈琲 自家焙煎の店 ザ・ミュンヒ(大阪府八尾市)のマスター田中完枝さんが紹介されました。
こだわりは「濃い茶 玉露のような濃厚なコーヒー」で、
「だから(最初の)一滴落ちるのに30分以上かけなあかんねん」
と田中さんは言います。
一杯のコーヒーを、1時間かけて淹れるそう。
試飲した番組ディレクターの感想☕
「全然酸味とかもなくて、ガツンとインパクトある濃さなんですけど、さーっと引いて甘みが出てくる感じがすごいです。」
田中さんにとって無駄とは?
「コーヒーというのは無駄のかたまりなんです。
だってコーヒーなかっても生きていけるんやから。
今までは無駄なことを皆 省略してきたやんか。
これからはそういう無駄なことをすることが人間の幸せになってくる時代がくる。
それは僕のところは、言うたら100年先を行っとるわけや。」
わたしはこの番組を観て、数日前に見たあるネットニュースを思い出しました。
それは、 京大生(そううんさん)が大学のある京都から実家のある長崎県佐世保市まで徒歩帰省したというもの。
京都大学1年の男性(19)が31泊32日で、京都から地元の長崎・佐世保まで徒歩で帰省した。9府県をまたぐその距離は868.1キロで、掛かった費用は17万144円。宿泊はネットカフェ中心で、食事はファミレスのランチやスーパーの割引弁当を食べたという。「新幹線を使うのに比べて、1.1倍の距離、9倍の費用、135倍の時間を要した」と男性。「伊能忠敬かな?」とTwitter民が驚いた一見非効率な旅の魅力を聞いた。
京都から長崎まで歩くだなんて、度肝を抜かれました😱
昨年、わたしも兵庫県から長崎県佐世保市にあるハウステンボスへ行ったのですが、交通手段は飛行機と鉄道とバスでした。
歩いて行く発想なかったー!
移動なんて、早ければ早いほどいいみたいに思っていたところがありましたが、遅いからこそ見えること、わかること、感じられることがたくさんあることを、そううんさんに教えていただきました。
京都から長崎への徒歩移動は、一見無駄に見えるかもしれませんが、人によっては最高の贅沢、最高の幸せであると言えるでしょう。
喫茶店マスターの田中さんがおっしゃった
「無駄なことをすることが人間の幸せになってくる時代」
は、もうすでに来ているのかもしれない。